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大規模DXプロジェクトのジレンマ その2

こんにちわ、PGMOのKです。

前回の続き。大規模プロジェクトがうまく回らない原因、それはズバリ、権威主義です。

 


コンサルファーム出身?

IT業界も土木建築業界と同様の元請け➡一次請け➡二次請けのような商流でコンサルタントやエンジニアを募集したり参画させたりしています。この募集要項でよく出てくるMUST要件が

 

”コンサルファーム出身”

 

なのです、が、某コンサルファームの名刺を持ってプレイしていたり、コンサルファームコンサルタントといっしょにプレイしてきた経験則から、価格に見合ったパフォーマンスを発揮できる方はおよそ5~10人に1人という印象です。主観ですが。

 

日産自動車が2024年3月に発表した中期経営計画「The Arc」では、2023年度比で販売台数を100万台増やし、営業利益率を6%以上に引き上げることを目標としていました。ところが、2024年度の決算では販売台数と収益性が悪化し、約6700億円の赤字。前経営陣は退陣し、2万人のリストラや浜岡工場閉鎖など、顛末はご存じの通り。

 

新型車や新技術など成長の根拠に乏しい美しい計画書、これこそが優秀で高額なチャージをするコンサルタントの成果です。


私の責任になる

以前、某上場企業の窓口担当者からこう言われたのです。

 

「ブランドコンサルファームを担いで失敗したら、企画が悪かったで済むが、Kさんを推して失敗したら私の責任になる」

 

 

大企業サラリーマンにそういうインセンティブが働くのは仕方ないとも言えますが、その後、高額なチャージをするシニアコンサルタントを差し置いて、実質的に私たちがプロジェクトをリードすることになりました。

 

振り返れば、そのアプリケーションを利用した新しいサービスは、某社が業界シェア№1に成長する起爆剤となり、プロジェクトは大成功だったのです。


「みんなが使っているから」でいいの?

本当にそのクラウドが最善なのでしょうか?そのSaaS/パッケージが最善ですか?

 

そもそも、みなが使うコンサルファーム/SIer/クラウド/パッケージ、この普遍的なカードを揃えて、そこにコアコンピタンスという役が作れるのでしょうか?

 

会社の金は他人の金ではないのです。サラリーマンが住宅ローンを組んで家を買うごとく、ToBo像をしっかりイメージし、調べ、比べ、よく吟味し、未来をつかんでいただきたい。大企業サラリーマンの方々にはそうあっていただきたいと強く願っています。